なんの前触れもなく突如、目の前に現れた。
気が付いたときには手遅れなくらい目の前に広がり続けていて、ボクの視野を奪いさっていた。
自分自身をコントロールしているつもりになっていたのは、初期の極僅かな期間だけであって瞬く間に制御不能と陥った。
でもそれが全ての失敗だったのかもしれない。
全力で何かにしがみ付いて自らを見失わないように縛り付ければ良かったのかもしれない。
全ては結果論に過ぎないけれど、事態は暴走したボクが引き起こしたトリガーによって加速的に転げ落ちていった。
何度、経験しても慣れる事が出来ない挫折・苦しみに直面した。
予測通り・・・いや、予想以上にボクの心は疲弊した。
愛想笑いも出来なければ、焦点も定まらない程の放心状態と苦しみ。
この苦しみの果てにあるのは、紛れもなく「死」と確信したとき能天気な一家が救い出してくれた。
救われたのか?
それは未だにわからない。
何が救いで何が得だったのか。
この問題は、己の最後まではじき出せぬ答えだろう。
とにかく、ギリギリで踏みとどまったボクは原因の発端と現象について考えた。
そして、事態の当事者である人間に今回の件の正当性・合理性について問うた。
この行為が、相手を困惑のどん底に突き落とす結果となり事態は更に転がり続ける可能性を秘めている。
ボクは何処に行こうとしているのだろう?
何を持ち、何を求め、何をしようしているのか?
全て、暗闇の中に置いてきてしまったのかもしれない。
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