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地元の花火大会

心地よい夜風。
静かな夜空。
さわさわと騒ぐ草と虫達。

そんな田舎の情景を貫く閃光。

花火大会。

浴衣を着て打ち上げの中心に参加する若者や祭りの関係者・地元の重役達。
そして、部屋着でアイスを片手にベランダや庭先に出て僅かに見える大玉を楽しむ人達。

こんな風景を目にすると何故か胸が熱くなる。
これと言って花火大会に思い入れなんて無いと思っているんだけど、毎年、花火大会が来ては一人遠めに見るなんてことをやっては、妙な切なさと奇妙な胸騒ぎに熱くなる。

何だろう?

頭を捻って考えると、それなりに思い出はあったみたい。
楽しかった思い出からちょっと切ない思い出まで。

それを払拭したいのかもしれない。
けれど、きっと誰かと花火大会に行ったところで、一人で見入ってしまうのだろうな。

何かを与えてくれる。そんな気にさせられる花火。
うちの地元では花火大会の運営費が苦しくなっているような噂は聞くけれど、是非とも続けて欲しいと勝手ながら願う。

そしていつまでもいつまでも夢を見させて欲しい。
夏の夜の夢は深い。

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